息子が性犯罪などで逮捕されたら
突然の逮捕連絡を受けて
息子が逮捕されたという連絡ほど,親にとって衝撃的な連絡はありません。その瞬間,どうしてなのか,何があったのかという思いが頭を駆け巡ります。息子が手錠をされ,警察署に連行され,鉄格子の牢につながれている姿を想像し,胸が張り裂けるような思いに沈みます。会いたい,しかし,警察は会えないという,着替えはどうしているのか,職場でも事実を把握しているだろうか,テレビなどで報道されるのだろうか。
次々と絶望は広がっていきます。
親思う心にまさる親心
息子と同居している場合はもちろん,別居して離れて暮らしている場合であっても,息子は毎日しっかりと,地道に生活し,食事もきちんととって,仕事も頑張り,健康で楽しく暮らしている生活していることを親はいつも願っています。
子供のころからすべての愛情をこめて育ててきたので道を踏み間違えることはないと信じています。一方で,心の片隅では不安が何となく漂っていて,息子の幸せが突如反転することがないだろうかと心配するというのが親です。そして,息子が逮捕されたという連絡は,その不安や心配が現実のものとなった瞬間なのです。
「親思う心にまさる親心,今日のおとずれなんと聞くらん」と詠ったのは,安政の大獄で刑死する前の吉田松陰でしたが,親の子を思う心というのは,子には想像もできないほど深淵で,かつ,切ないものなのです。