親が直接被害者に謝罪や示談交渉することについて|性犯罪弁護サイト

親が直接被害者に謝罪や示談交渉することについて

性犯罪弁護 弁護士 親が直接被害者に謝罪や示談交渉することについて

親が直接被害者に謝罪や示談交渉することについて|代表弁護士が解説

 当事務所で過去に扱った案件の中には,親御さんが弁護士を雇わず,直接被害者に謝罪に出向いたり,示談を持ちかけてこじれてしまって当事務所に駆け込んできたケースが何件かありました。本人のみならず,親御さんも息子の起こした事件について被害者様に申し訳ないという気持ちで一杯になり,直ぐにでも謝罪に伺いたいという気持ちになるのは,親としての自然の情であり,よくわかります。
 ただ,次の点に気をつけていただきたいと思います。以下,代表弁護士・中村勉が解説いたします。

被害者のお気持ちを考えると

 被害者のお気持ちを考えてみてください。犯人による仕返し,報復が怖くて警察への通報に二の足を踏んでいたけど,勇気をふり絞って被害届を出しています。その途端,犯人の親と称する見ず知らずの人がやってきたり,電話してきたりすると,どのような気持ちになるでしょう。知っている人ならいざ知らず,知らない人によるこのタイミングでのアプローチに,こんなに早く謝罪してくれた,誠意を感じる,となるでしょうか。逆です。恐怖感が前にも増して強くなります。

脅迫罪,強要罪にならないか

 もし仮に,「示談してくれないなら~になりますよ」などと害悪を告げたり,被害者を困惑させるようなことを言ったなら忽ち脅迫罪,強要罪になり,親までもが逮捕されてしまいます。法律家でないかぎり,どのような言動が犯罪となるかわからないことがあり,たとえ分かっていても息子を守る熱心さのあまりつい口に出てしまうことがあるのです。

我が子可愛さから

 親御さんはもちろん,息子に非があり申し訳ないと思っているでしょう。
 しかし,これまで愛情を注いで大切に育ててきた息子です。たとえ脅迫罪などの犯罪行為には該当せずとも,我が子可愛さから,知らず知らずに被害者に対して,息子を弁護するような言い方になってしまい,被害者はまるで被害を受けた自分が責められているような気持ちになり,「どうしてそんな言われ方をされないといけないのでしょう。被害者は私です。」となってしまいます。こうなってしまうと,もう示談はできません。

プロフェッショナルな弁護士へご相談を

 このように,被害者への対応は,本人や親御さんなど,当事者ないしそれに準ずる立場の人が行うリスクは計り知れないです。第三者として冷静に客観的に交渉できる弁護士に委ねるべきなのです。
 ただ,弁護士に委ねれば良いというものではなく,依頼を受けた弁護士が迅速に本人,親御さんの代弁者として被害者にアプローチすべきなのです。そのアプローチの仕方やタイミングも重要です。ノウハウを積んだプロフェッショナルな弁護士に依頼してください。
 当事務所はそのプロフェッショナリズムを標榜する事務所の一つです。


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